mojuniの日記

猫イラストレーターmojuniが遂に手に入れたキャンプの様な山暮らし、時々イラスト

旅立ち

 

予報に反して冷たい雨風の15日、クロリーは辛い闘病から解放されて天へ昇って行きました。

前夜の点滴は上手く落ち、朝のリキッドはほんの1cc程。昼近く部屋の中を這い回り始め、辛そうにかすかに鳴いて首を振る。とうとう運命の時が来たと、シェフとも相談して、かねてからの動物病院の先生のアドバイスに従うことに決め、キャリーケースに入れようと抱き抱えると、異様な大声でアーアーアーと5回鳴いた。何のために出かけるのかを完全に理解している。発車した後、それでもクロリーはイヤなんじゃないかと思い悩んだ末に連れ帰り、また部屋に戻ると、クロリーはもう一度同じ様にアーアーアーと鳴いた。え?どうして欲しいんだろう、、、。それからすぐ眠ったのでそっとしておいて人間の食事(そんな場合じゃなかったのに)を済ませて、クロリーの元へ戻った時にはたった今しがた事切れた状態。ああ、何でずっと見守っていてやらなかったんだろう。

クロリーが苦しみ始めた、と言うか後から思えば脳性の混濁状態になったのかも知れませんが、その時間は引き潮に転じた頃、そして事切れた時刻は正に干潮でした。身内の医者がいつも危篤の患者さんが出ると潮汐の時刻を調べていました。当時はスマホもネットもなく、新聞の一面に掲載されていた?天気予報欄を見たのかなと思います。「人は引き潮の時に死に、赤ん坊は満ち潮の時に生まれる」のだそうです。医学書に書いてあるのかどうかは知りませんが、猫の場合これまで殆ど当たっています。その人自身が亡くなったのは正に満月で大潮の夜、満潮から潮が引き始めた時刻でした。

 

クロリーはここへ引っ越して来て間もない頃、うちの近所で初めて出会った捨て猫、まだ子猫が抜け切らない年頃でした。やや慣れていて一度脇を持って抱き抱える事も出来たのですが暴れそうになったので手を離してしまいました。それから数年時々姿を見かける度にカリカリを置いてやったりして、うちの方へと誘導していたら本当にだんだんうちの近くまでくる様に。どう考えてもそっくりなもう一匹の黒猫がいる感じ。胸の辺りにチョロッと生えてる白い毛の模様がちょっと違う。後で思うにそれはゆーほーで、2匹は姉妹で捨てられたんだ、と言うのが真相でないか?そして2匹とも相前後して栄養失調で半身茶色のツートン猫になって餓死寸前のところで遂に保護出来たのです。

2匹ともよく慣れて先輩達とも仲良くなり、幸せな生活を暫く続ける事が出来ましたが、ゆーほーは原因不明の病気で先に死んでしまいました。尿が異様に黄色い状態が続き病院で調べてもこれと言った異常は検出されず。元気はあったのですが、やがて衰弱、、、。

クロリーはFIVキャリア、歯がボロボロになっていたので保護してすぐ全部抜歯。それでも何でもよく食べました。カリカリでも。そして大食漢。コロナ禍でキャットフード高騰の折、缶詰を何度もせがむクロリーに日に何度かは「カリカリを食べてね」と言っていたら去年3月プイッと家出、歯が一本もないのに元の畑で暮らしているのをまた発見、振り出しに戻ってエサやり開始、そしたら去年10/1の朝、何事もなかったかの様にシェフの布団の上で寝ていた。ちゃんと家も家族も覚えているのに7ヶ月も帰らない意地っ張り。メデタシメデタシと思ったのも束の間、それからたった半月後右頬がドンドン腫れて来たのです。

クロリー、ゆーほー姉妹を捨てた人は必ず報いを受けるでしょう。