mojuniの日記

猫イラストレーターmojuniが遂に手に入れたキャンプの様な山暮らし、時々イラスト

またまた「夕顔棚納涼図」を持ち出す私

年末に「あの戦争は何だったのか」というドラマ&ドキュメンタリー番組をご覧になった方は多いと思います。何かと問題もあった局ですが、まあこの企画は良かったんじゃないでしょうか。
また別のバラエティー番組ですが「政府が決めたことに国民全員を従わせようとするのは国民総家畜化計画だ」という主旨の意見がありましたが、その行き着いた先があの戦争だったのでしょうね。またぞろその傾向が顕著になってはいないのか、一人一人が洞察力を持って警戒・自戒せねばらないと思います。
「日本はいい国だと言ってやめさせられた」人もいるようですが、一部の人間にとって都合のいい国民にされてはたまりません。

ところで経済危機が止まるところを知らず進行している今日この頃、前にも2度ばかり書いたことがあるのですが、このような時代こそ日本の真価を思い出してみたいのです。
他の(多分)大多数の民族と違う日本人の特質というより天賦の才能というべきもの、それは「貧しさを悲観するどころか楽しみを持って受け入れることができる」ことだと思います。
歴史遺産を見ても、他国の場合は規模の大きさや豪華絢爛な装飾を誇りとしているのに対し、日本のものは殆ど自然をそのまま取り入れた質素さ。そしてその方が美しいと認識する感性を持った民族。
貧しさの極限の時代にこそ発揮される健全な精神性。豊かになる程に腐敗堕落するのは万国共通でしょうが、貧しくなればなるほど美しくなれる(そんな題名の映画もありましたっけ)民族は少ないのではないでしようか。
バブルの時代からの贅肉をすべてこそぎ落とした時、この国はもう一度不死鳥のようによみがえれるのではないでしょうか。

ネットが出来なくなる時代が来るとしたら、う...困りますが、贅沢な食べ物、高価な洋服、豪華な住宅などが消え去り、
「夕顔棚納涼図」(東京国立博物館蔵品のページ)のような生活に舞い戻るとしたら...私は何だかほっとするだろうと思います。何故ほっとするのか、ほっとすることが出来るのか、それを他国の人に教える努力をすることが、大きな国際貢献になるのでは、と思います。
もちろん、この絵の中にパソコンを描き入れたいですが。
少なくとも「石油確保のために戦争をせねばならない」などという人が出て来て、それが多数派になった日には、躊躇なくくるりと背を向けてこの屏風絵の世界に逃げ込もうと思います。